小型コアレスモータのトルク計測とトルク係数の測定実験
マイクロマウスには、得体のしれないDCモータを使用される方が多いかと思います。
小型のコアレスモータですと、そもそも選択肢がありませんので仕方ないかと思います。
マウスをかっこよく制御したくなると、FF制御をしたくなり、トルク係数の算出をしたくなると思います。
無負荷回転数と定格電圧から割り出す方も多いかと思いますが、
実際のところ、トルク係数はどの程度あっているのかが疑問になり、測定してみました。
測定風景です。
…意味が解らないでしょうか。
モータに円盤(写真では吸引ファンの切削失敗したもの)を取り付けて、糸をひっかけ、
秤の上の重りを引っ張ります。
そうしますと、円盤の半径の距離の位置で重りを引き上げるのに相当します。(たぶん)
秤が「-10 g」と示せば、10g引き上げられてるということです。
電源装置で1.5V、3.0V、5.0Vとかけました。電流値は電源装置に表示される値です。
値は3回測定して、平均をとりました。
かなり値が変動するので精度は微妙なところです。(詳細は後述)
Queで採用した千石電商で売られているモータ「CL-0614-10250」を
計測した結果が以下です。
電流[A] | トルク[g・cm] | トルク定数[mNm/A] |
0.52 | 2.65 | 0.4999 |
0.96 | 4.76 | 0.4859 |
1.40 | 6.60 | 0.4620 |
千石電商のHPには「停動トルク:8g・cm」との記載があるのですが、遠く及ばず。
2Aくらい流せば8g・cmに到達しそうですが…。
何か計算や測定方法間違えているのかもと不安になります。なにかお気づきの点あればご指摘いただければ嬉しいです。
測定ですが、1A近く流すと、秒単位でトルクがどんどん減少します。併せて電流も減少します。
ただし、トルクの減少の方が激しい気がします。
モータ内部のコイルの発熱でコイルの抵抗値上昇により電流が減少してトルク低下、
コイルの発熱によって磁石の減磁が発生しているので電流の減少以上にトルク低下、
ということなのではないか?と思っています。
秒単位で低下ということは、マウスの最短走行時などでも十分に影響はありそうです。